乳児湿疹
乳児湿疹は生後2週~2ヶ月ころによく見られる湿疹で、顔、首、頭など皮脂の分泌が多い部位に現れやすい病気です。にきびのような湿疹やカサカサした赤みのある湿疹、黄色いかさぶたやフケなど、様々なタイプがみられます。乳児湿疹の原因は諸説ありますが、皮脂の分泌が関与していると考えられています。乳児は毛穴が小さく皮脂が詰まって炎症を起こしやすいことも原因の一つです。スキンケアの仕方から、今の状態は果たして薬が必要なのか正常な範囲なのかといったご相談もお気軽にご相談ください。
おむつかぶれ
尿や便などが刺激となり、おむつが接触する部位に赤いブツブツやただれが生じます。おむつをこまめに替えて、清潔と乾燥を保つことが予防とケアになります。おむつを替えるときは、はずした後、患部を少し乾かしてから装着すると良いでしょう。早く治すためには清潔を保った上で適切な塗り薬を塗ることが有効です。かぶれの程度に合わせてステロイド外用薬や亜鉛華軟膏、ワセリン軟膏などで皮膚を保護します。
カビの一種であるカンジダ菌の感染も同じような症状がみられるので注意が必要です。ご自宅で数日間ケアしても症状が改善しない場合は、お早めにご相談ください。
手足口病
夏に増える感染症で、皮膚の症状が強いため、皮膚科を受診することが多い病気です。発熱は、手足口病の30%で起こりますが、発熱がなく皮膚の症状のみのことも多いです。手のひらや足の裏、口の中に、痛みを伴う赤いぶつぶつや水ぶくれができます。よく効く薬はなく、対症療法のみで自然治癒します。お口の中の痛みで、水分をとることをがまんしてしまい、脱水になるケースもありますので、水分がとれているか、観察してあげてください。症状がおさまったあと、手や足の皮がむけたり、爪が剥がれたりすることがあります。痛みがでることもありますので、皮膚の症状が強いときはご受診ください。
とびひ(伝染性膿痂疹)
初夏から夏にかけて乳幼児や学童によくみられる病気です。皮膚表面に細菌が感染し、水疱や発赤、びらんなどができます。かゆみが強く、掻きむしった手を介して、水ぶくれやかさぶたがあっという間に全身へ広がります。
細菌は健康な皮膚には感染しませんが、傷ができたり、アトピー性皮膚炎があったりすると、皮膚の抵抗力が弱くなり感染してしまいます。治療は抗生剤を内服し、患部を清潔にして抗生剤入り軟膏などを塗布します。適切な治療により、一週間程度で治っていく病気です。生活上では、患部をしっかりシャワーで洗い流すなど清潔を保ち、他の部位に広げたり、他人にうつしてしまったりしないようにしてください。
水いぼ(伝染性軟属腫)
水いぼは、伝染性軟属腫ウイルスの感染により、小児によく発症します。夏に多く発症します。お顔をも含めて体のどこにでもできる、ドーム状に盛り上がった小さなできものです。掻くことで、周囲に増えていきますが、通常、半年から2年ほどで免疫がついて自然になくなることがほとんどです。
そのまま放っておいても長期的にはよくなるのですが、接触するとうつるため、学校や水泳教室などで、水いぼを取ってくるように言われることがありますので、その際は、麻酔のシールを事前に貼ってからピンセットで取る処置をクリニックで行います。
いぼ(尋常性疣贅)
尋常性疣贅は皮膚から盛り上がっている小さなできもので、ヒトパピローマウイルスの感染によって発症します。このウイルスは傷などから皮膚に入り、皮膚の深層の細胞に感染して、周囲の正常細胞を押しのけて増殖し続けます。痛みやかゆみは伴いませんが、放置するとさらに増えたり、人にうつしたりすることがあります。小児からご年配の方まで男女を問わずみられます。
いぼができ、掻いて治そうとするとかえってウイルスを拡散してしまう可能性があります。いぼを見つけたときは、数が少ないうちにご相談ください。いぼの治療は、液体窒素による冷凍凝固療法などがありますが、塗り薬、貼り薬、漢方を併用するなどご本人に適しているものを選んで行います。
シラミ症(アタマジラミ)
シラミ症は、シラミが人に寄生する病気ですが、お子様で時に集団感染を起こすのが、アタマジラミ症です。
保育園や小学校でうつることが多く、特に夏に多く発生します。頭に白いぶつぶつが見えることがあり、これが虫の卵です。強いかゆみが出ることが多いです。診断は、顕微鏡の検査で虫の卵を確認して正確に診断することが可能です。
治療は、駆虫効果のあるシャンプーを2週間ほど使います。細かいクシで髪をとかして虫・虫卵を取り除くことも効果的です。