当院では「フィナステリド」「デュタステリド」「ミノキシジル」の3種類の薬を使用します。
フィナステリド
フィナステリドを主成分とした治療薬には先発医薬品の「プロペシア」と、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の「フィナステリド錠」があります。DHTの働きを抑えることにより、AGAの進行を抑制、予防するお薬です。効果が確認できるまで数か月間かかることがあります。1日1回内服してください。
副作用として、食欲不振、全身倦怠感、抑うつ状態、勃起不全、性欲減退、精液量や質の低下、肝機能障害、アレルギー症状などがみられることがあります。前立腺癌検査で測定されるPSAという検査値を約50%低下させる作用があるため、検査の際は担当医療機関にお伝えください。また、内服中は献血が行えません。(必要時1か月休薬してからおこなってください)
デュタステリド
デュタステリドとは、グラクソ・スミスクライン株式会社が開発した「ザガーロ」に含まれる成分です。もともとは、前立腺肥大症治療薬のアボルブの有効成分として開発されましたが、AGAの改善効果が期待できることがわかり、改めてAGAに適応のある「ザガーロ」として開発されました。現在は、先発医薬品である「ザガーロ」と後発品医薬品である「デュタステリド錠」があります。このお薬はDHTの働きを抑えることにより、AGAの進行を抑制、予防することができるお薬です。フィナステリドに比べてDHTの抑制効果が強いです。1日1回内服してください。
デュタステリドとフィナステリドの違いは、5αリダクターゼI型とII型の両方を阻害できる点です。そもそも5αリダクターゼとは、AGAを引き起こすDHTの生成に必要な酵素のことで、これまではII型だけがAGAの発症に関係しているといわれていました。
しかし、実際には5αリダクターゼI型もAGAに関係していることがわかったのです。そのため、5αリダクターゼII型しか阻害できないフィナステリドより、I型も阻害できるデュタステリドの方が高い効果が期待できます。
副作用
性欲の減退、勃起機能不全(ED)、肝機能障害等がみられることがあります。肝機能障害のある方は必ずお申し出ください。
前立腺がんの検診を受ける予定のある方は、検査の数値に影響を及ぼすことがありますので、検査実施前に、医師に服用している旨をお伝えください。
妊婦や妊娠している可能性のある女性や授乳中の女性では、胎児の発育に影響を及ぼす可能性があります。
ミノキシジル(内服)
毛根の血流を改善するとともに、毛乳頭の細胞を刺激し、細胞の増殖やタンパク質の合成等を促進して活毛させる作用があります。もともと降圧薬として開発された薬ですが、その副作用として発毛作用が確認されて以降、育毛目的で使用されています。1日1回内服してください。
副作用として、動機や息切れ、頭痛、めまい、体重増加、肝機能障害、全身の体毛増加、初期脱毛がみられることがあります。初期脱毛は内服を初めて1~2か月目に見られることがありますが、休止期にあった毛包が成長期に移行していることが原因です。その後、新しく生えてまた毛髪は抜けにくくなりますので、通常はそのまま服用を続けてください。
※この治療は、国内未承認医薬品を当院医師の判断の元、個人輸入で手続きを行ったものです。